受診・一般について
耳鼻咽喉科一般です。
特に甲状腺疾患専門病院の野口病院での研修経験より、地域の基幹病院である奈良県立奈良病院・日本生命病院在職中には頭頚部外科領域を中心に鼻副鼻腔の手術など担当しておりました。
また難聴やめまいの急性期の外来・入院症例も数多く経験しております。
申し訳ございませんが、当院は現在電話・インターネットからの予約システム含めて予約は受け付けておりません。
診療時間内の急病には対応させて頂きますが、夜間・休日の時間帯での対応は診療体制が不十分な為、診察することができません。
急病時には、大阪市西区にある大阪市中央急病休日診療所の受診をお勧めします。
もちろん生まれたばかりでも診察します。
赤ちゃんは鼻を詰まらしたりすると、上手にミルクが飲めなかったりします。
少しでもご心配なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。
子供さん向けにドライシロップにして甘味を加えたり、できるだけ工夫はされていますが、なかなかお薬を飲んでくれないのが現状です。
薬飲ませ用のスポイトで流し込むなどありますが、アイスクリームやヨーグルトなどに混ぜ込んであげるのも良いでしょう。
お子さんの飲みやすい剤型など、ご希望があれば申し出てください。
みみの病気について
耳の痒さを訴えて来院される方のほとんどが、外耳炎を認めます。
外耳道(耳の穴)の皮膚は非常に薄く、綿棒でも傷付いてしまいます。
また傷が治っていく過程で痒みをより生じさせてしまう為、また触る‥の繰り返しによって悪化していきます。
ひどくなると耳痛・耳漏(みみだれ)も生じ、さらに皮膚の防御機能が破綻して真菌症(カビ)に至る場合もあります。
耳の中はご自身では観察できませんし、耳鼻咽喉科でキチンと消毒・処置を施した方が良いと思われます。
たかが耳垢だけで‥と受診を遠慮される方がいらっしゃいますが、耳垢を取り除くのも耳鼻科医の仕事です。
石のように固くなってしまったものや粘土のようになって奥にぎっしりと詰まってしまった「病的な」耳垢もあります。
また「耳が詰まったような」症状から耳垢以外の疾患(突発性難聴や聴神経腫瘍など)が発見される場合もありますので、まずは耳鼻咽喉科でチェックすることをお勧めします。
まず成長段階にある子供さんは大人と比べ、解剖学・免疫学的に中耳炎になりやすい状態にあります。
つまり①耳管(耳と鼻の奥を通る管)の距離が短く、開き気味で角度も寝ている為、鼻汁などの鼻の汚れが耳に伝わりやすく、②アデノイドなどの扁桃組織が生理的に大きく、鼻や咽頭が閉塞しやすい為、鼻汁が貯まりやすい ③母体からの移行免疫が切れる6ヶ月頃から自己免疫がしっかりしてくる2歳頃までは抵抗力が脆弱 という状態により中耳炎になりやすく、再発をきたしやすいのです。
また集団保育になると、他児よりの感染が起こりやすく、そのなかでも抗生剤に抵抗力を持つ菌(耐性菌)の蔓延化は非常に悩ましい問題です。
中耳炎の予防には鼻咽腔の正常化が必要となります。
家庭でできることは限られていますが、
- 保育園などから帰ってきたら手洗いだけでなく、顔や頭・身体を拭いてあげて菌との接触を減らす
- 鼻汁が多い場合には市販の鼻吸い器を使って取ってあげる
- 風邪が流行っている時には休園させる
などが挙げられます。
めまいの原因となる疾患はたくさんありますが、多くの場合耳の奥にある三半規管からくるものです。
めまいの症状がある場合には、まず耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
当院を受診され、他科の受診が必要、もしくは更に詳しい検査が必要と判断した場合にはご紹介状を作成させていただきます。
加齢によって聴こえが悪くなってしまった場合、残念ながらお薬や処置で元通りにすることはできません。
補聴器は聴こえを助けてくれますが、調整の良し悪しでその効果が大きく左右されます。
当院では補聴器販売業者と協力して補聴器相談(予約制)を行っており、補聴器の適正な調整や作成に当たらしていただいております。
初めての方にも補聴器の無料貸し出しで試していただけますので、ご興味があれば遠慮なくご相談ください。
耳鳴は確かに難しい症状です。
医学が発展してきている現在でも耳鳴の原因は完全に解明されておらず、またその治療法も確立されていません。
しかし、それをもって耳鳴は治らないと考える訳ではありません。
完全に耳鳴がしなくなる、そういった状態が好ましいのは当然ですが、耳鳴のボリュームを下げる・日常生活で気にならなくなる、そういった状態を目指すのも治療ではないでしょうか?
当院では個々に最も適した治療法を見つけ、症状改善にむけて共に努力することを方針としています。
はなの病気について
子供は鼻を触ったり(アレルギー性鼻炎があると特に痒がって)、ぶつけたりして鼻出血起こしやすく、くり返すことも多々認めます。
子供の鼻出血の多くは、鼻の入口のところの粘膜の血管が切れて出血する場合がほとんどです。
鼻をつまむように数分圧迫してもらうと、止血されると思います。
押さえてもなかなか止血しない場合には、血が固まりにくい病気(血液疾患など)が隠れている場合もあり、注意が必要です。
鼻を痒がって触っていたり、止血が困難の場合には耳鼻咽喉科受診をお勧めします。
抗アレルギー剤を含めた内服薬は症状を抑える薬で、残念ながらアレルギーの体質を改善するものではありません。
これは手術治療(レーザー手術など)も同様です。
現在根本的な治癒が期待できるものは、特異的免疫療法(舌下免疫療法・皮下注射免疫療法)のみです。
舌下免疫療法は、現在ダニ・スギ花粉アレルギーの2種が実用されています。
ご希望される、興味がある方は別に舌下免疫療法のページを設けていますので、ご参照ください。
基本的には、抗原(アレルギーの原因)の除去を図りつつ、症状に応じて薬物療法・手術治療を選択する、というのが治療方針です。
「花粉症が注射で治る‥」といわれているものには、ケナコルト(ステロイドホルモン)注射 があります。
ステロイド剤注射については、ステロイド剤の全身的副作用など問題点が指摘されており、診療ガイドラインでも推奨されておらず、当院では行っておりませんし、お勧めいたしません。
ステロイド剤使用しないと抑えられない強いアレルギーがある場合でも、投与量を調節できるステロイド剤内服や、抗IgE抗体製剤などが適応と思われますので、耳鼻咽喉科専門医にご相談して下さい
嗅覚(におい)の低下は、
- 呼吸性嗅覚障害
- 末梢神経性嗅覚障害
- 中枢神経性嗅覚障害
に分けられます。
①呼吸性嗅覚障害は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に伴う鼻粘膜の腫脹・鼻茸(ポリープ)や鼻中隔湾曲などの形態異常により、鼻腔内の通気不良を生じて、においを感じる嗅上皮にまでにおいの分子が届かず感じないことが原因です。
②末梢神経性嗅覚障害は、嗅上皮の障害と嗅糸断裂による場合があり、前者は嗅上皮の萎縮や炎症が原因で感冒(かんぼう)などウイルス性のことが多く、後者は交通事故などの頭部打撲によるものが最も多い原因です。
頭部打撲による嗅覚障害は難治性です。
③中枢神経性嗅覚障害は、頭部の外傷や脳腫瘍、加齢が要因になります。
なお嗅覚障害が、アルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状である場合もあります。
治療法は重症度と原因疾患により変わります。
①呼吸性嗅覚障害では、抗アレルギー剤や点鼻薬による鼻粘膜の腫脹の軽減や、鼻茸(ポリープ)切除やレーザーによる鼻粘膜焼灼、鼻中隔湾曲矯正などの手術療法が有効です。
②末梢神経性嗅覚障害のうち嗅上皮の障害では、ステロイド薬の点鼻および経口投与は、現在ただひとつ確立された嗅覚障害に対する薬物治療です。
経口ステロイド薬は、アレルギー性鼻炎に伴う呼吸性および末梢神経性障害に最も有効ですが、副作用に注意が必要です。
ステロイド薬の点鼻は、呼吸性・末梢神経性障害を問わず広く行われています。
頭部打撲による嗅覚障害や③中枢神経性嗅覚障害は残念ながら難治性であることが大部分です。
のど・くびの病気について
いびきは寝ている間のことですし、本人は気付かずに過ごしていることがほとんどです。
本人はぐっすりと寝ておられ、周りの方が大きないびきに迷惑…なんて事も少なくないはずです。
しかし、いびきが大きく、息が止まっているというのは、「睡眠時無呼吸症候群」と言われる、りっぱな病気です。
睡眠時無呼吸と聞くと、寝ている間に息が出来なくなって死んでしまうのではないか?と思われがちですが、無呼吸自体で死んでしまうことはありません。
睡眠中に無呼吸が続くことで身体の心肺機能に負荷がかかり生活習慣病になることや、日中の異常な眠気や集中力・注意力の低下による事故(交通事故、労災事故)を引き起こすことなどが問題となります。
一般に、
- 肥満で猪首(首が短く、太い方)の方や急激な体重増加
- 鼻中隔湾曲や鼻炎による強い鼻閉
- 口蓋扁桃やアデノイド、舌根部が大きいことによる気道の狭窄
- アゴが小さく、下顎が後退している方
- アルコールや睡眠薬などの常用
が原因と言われています。
治療法は、
- ダイエット
- 手術
- 呼吸装置(CPAP)療法
- マウスピース装着
があり、それぞれの原因・症状にあった治療法を時には複数組み合わせて行っていきます。
中でもCPAP療法は、効果が高く、副作用もほとんどないため、睡眠時無呼吸症候群の治療法として世界で確立しており、健康保険も適応されています。(睡眠時無呼吸症候群・CPAP療法のページ)
いびきの検査・治療に関して、気になることがあれば耳鼻咽喉科で相談されることをお勧めします。
口臭は、副鼻腔炎や扁桃炎などの炎症性疾患、口渇や唾液量の減少によって口腔内が唾液で洗い流せない場合、虫歯などで認めることがあります。
また鼻副鼻腔や口腔・咽喉頭に悪性腫瘍が存在する場合にも「病的な」口臭を伴う場合があります。
診察していてほとんどの方は口臭自体がないと思われる例が多く、あまり神経質になられる必要はありませんが、気になる場合には一度耳鼻咽喉科でチェックしてもらいましょう。
まず声を出す機能は喉頭の中央部にあるひだ状の声帯が担っており、この声帯に炎症などの異常が起きると声帯の振動に影響が出るため、声がかすれます。
職業的に声をよく使われる方(歌手や幼稚園などの教員、アナウンサー、接客業など)の場合、声帯を酷使することにより声帯が炎症やむくみを起こしやすく、時に声帯ポリープや声帯結節生じます。
また過度な喫煙や飲酒により、慢性的に声帯粘膜が刺激を受け続けて声帯がむくんで腫れることによって声がかすれる人が多くみられます。
お年寄りの場合、声帯が萎縮して発声時にすき間が生じ、そのすき間より空気が漏れてかすれたような声になります。
注意しなければならないのは、喉頭がんや下咽頭がん、甲状腺がんの進行した場合も声のかすれが起こることがあります。
かすれ声やのどの違和感にはさまざまな原因がありますので、症状を自覚しましたら咽頭・喉頭を含めた頚部の精査を受けてください。
まず、でき物(腫瘍)⇒ 手術 ⇒ 外科 と思われている方少なくありませんが、頭頚部に生じた腫瘍は耳鼻咽喉科の領域です。
当然その検査も耳鼻咽喉科で行っています。
頚部は多くの臓器(耳下腺や顎下腺、甲状腺)があり、またリンパ節も集中して存在していることより、頚部に腫瘤を生じることは決して少なくありません。
腫れには大まかに、
- 細菌やウイルス感染による炎症性病変
- 腫瘍性病変
に分けられ、②腫瘍性病変も良性・悪性の鑑別が必要となります。
さまざまな検査を用いて診断していくことになります。
診療所レベルではすべての検査・治療の対応ができない場合もありますが、その時も急を要するものであるかの判断は可能ですし、取り急ぎ耳鼻咽喉科受診をお勧めします。